株式会社フソウ

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2023.08.21

仮設灰処理施設で発生する飛灰を対象とした 灰洗浄実証試験における「吸着・安定化技術」に選定 ~飛灰に含まれる放射性セシウムの減容処理技術の実現に向けた技術に選定~

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株式会社フソウ(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:角 尚宣 以下、フソウ)、株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:籔田 健二 以下、三菱総研)および国立研究開発法人産業技術総合研究所(東京本部:東京都千代田区、理事長:石村 和彦 以下、産総研)の3者が共同で提案する技術は、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(以下、JESCO)より受託した「仮設灰処理施設で発生する飛灰を対象とした灰洗浄実証試験業務(その1)」(以下、実証試験)において、放射性セシウムを吸着材に回収させ、安定化する技術に選定されました。

環境省は2011年3月の東日本大震災により発生した除去土壌等について、中長期的な方針として「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略」を策定しており、仮設灰処理施設で発生する飛灰を対象とした灰洗浄処理技術が減容処理プロセスにおいて、今後注力すべき技術であるとしています。

そこで、減容化に関する実事業への移行に向けた技術的な検討を進めることを目的として、環境省の委託を受けたJESCOは2021年度に当該実証試験業務を公募しました。三菱総研・フソウ・産総研の3者は共同(以下、共同提案体)で受託し、2022年12月から実証試験を開始しました。実証試験は、仮設灰処理施設で発生する溶融飛灰に付着している放射性セシウムが水に溶けやすいという特性を利用し、飛灰を水洗浄して放射性セシウムを分離(以下、洗浄・脱水)させた後、水溶液中の放射性セシウムを吸着材で回収することで濃縮・減容・安定化(以下、吸着・安定化)を行うものです。(参考資料1:概要図 参照)

飛灰洗浄処理技術には、洗浄・脱水と吸着・安定化の2つの工程があります。このうち、吸着・安定化工程は複数の処理方式が想定されるため、実証試験当初から複数者で比較試験を行い、最適な技術を選定するとされていました。本年5月に3者による試験結果が厳正に審査された結果、当共同提案体の技術が最適な吸着・安定化技術として選定されました。選定された技術では、吸着材をカラムに封入し、放射性セシウムを含む水溶液を複数段のカラムに流下、吸着させた後、前処理するとともにセメントミルク等の固型化材と混合し、安定化させます。(参考資料2:吸着・安定化工程 参照)さらに、2023年度には、洗浄・脱水と吸着・安定化を組み合わせた一気通貫の実証試験を実施することとしており、吸着・安定化工程のフェーズアップを行うとともに、減容化に関する実事業に向けた課題検討にあたります。

なお、環境省が主催する「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」における「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略工程表」では、2024年度には基盤技術開発を一通り完了するとされており、福島県外での最終処分に向けて本技術の成果が期待されています。

今後、フソウは吸着・安定化工程の試験設備の設置および吸着材の製造を、三菱総研は実証試験の運営を、産総研は実証試験の理論展開および非放射性セシウムによるラボ試験等をそれぞれ担当します。なお、飛灰が事故由来廃棄物であることに留意し、安全を十分に確保しつつ、関係法令に基づいて実証試験を進めてまいります。

フソウは、創業以来培ってきた技術力やノウハウを活かし、当共同提案体の一員として本実証試験における技術的課題を解決し、実事業への移行を円滑に進めてまいります。さらに、本実証試験を通じ、東日本大震災被災地の復興をはじめ、地域社会の課題解決に一層貢献してまいります。


実証試験業務の概要

案件名    仮設灰処理施設で発生する飛灰を対象とした灰洗浄実証試験業務(その1)
発注者 中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)
受注者
(共同提案体) 
株式会社三菱総合研究所(JESCOとの契約締結者)、株式会社フソウ、国立研究開発法人産業技術総合研究所
試験対象 仮設灰処理施設で発生する溶融飛灰
試験場所 福島県双葉郡双葉町中間貯蔵施設内
開発のステップ 2022年度:洗浄・脱水実規模試験、吸着・安定化ラボ・ベンチ試験
2023年度:吸着・安定化の実規模試験設備を設置し、洗浄・脱水と連結し、一気通貫の実規模試験を予定。
事業期間 2021年12月6日 ~ 2025年3月31日
発注方式 企画提案方式


●参考資料1:概要図 ※出展元:JESCOホームページhttps://www.jesconet.co.jp/interim/page_00043.html



●参考資料2:吸着・安定化工程


●参考資料3:ベンチ試験カラムによる吸着工程 (飛灰洗浄処理技術等実証施設内)




●参考資料4:ベンチ試験で採用したカラム


-本件に関するお問い合わせ-
株式会社フソウ
管理本部 広報部
Tel: 03-6880-2123 / Mail: koho@fuso-inc.co.jp

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