プロジェクト紹介

石巻市排水ポンプ新設
<宮城県>

東日本大震災以降、宮城県石巻市では、台風や豪雨のたびに道路冠水や床上浸水が頻発することが問題になっていました。震災の影響で市街地の地盤が沈下してしまい、自然流下による雨水排水ができないことが原因でした。

災害に強い街づくりを目指す石巻市が、復興事業の一環としてこの問題解決のために行ったのが、雨水排水ポンプ場の新設です。フソウが担当したのは、三箇所のポンプへの除塵設備(地下から組み上げた雨水からゴミを取り除いて排水する装置)の設置です。
現在は台風・豪雨でも、そのポンプが浸水被害を防いでいます(プロジェクト期間:2020年6月〜2022年9月)。

  • 意見の言いやすい組織へ!

    エンジニアリング事業部 技術本部
    設計部 下水道課

    藤井 秀則さん

    1993年入社
  • 社会貢献の喜びを感じる会社!

    エンジニアリング事業部 工事本部
    東北工事部 東北工事課

    佐々木 貴之さん

    2001年入社
  • 新人が伸び伸び働ける!

    エンジニアリング事業部 PM本部
    PM部 計画推進課

    中津 真樹さん

    2019年入社

案件の獲得

総合評価落札方式で入札を勝ち取るため、
フソウにしか出せない提案を検討

総合評価落札方式で 入札を勝ち取るため、 フソウにしか出せない提案を検討

——石巻市の浸水被害問題を解決するためのプロジェクトですが、実際にこの工事をフソウが獲得するまでに、どんな道のりがあったのでしょうか?

藤井

この案件は「総合評価落札方式」の公募入札の案件でした。
総合評価落札とは金額の安さだけで比べるのではなく、品質や技術力、企業体制など様々な角度から総合的に評価される入札方式です。
特に重要視されるのは「技術評価」と「施工体制評価」です。フソウならではの提案をしなければなりません。

入札までは約2ヶ月で、まず案件の課題や求められていることを確認し、それからフソウであればどのような提案ができるのか、営業・技術社員内で検討したという流れです。
結果、我々が提出した技術提案が石巻市に評価され、無事獲得に至りました。

落札後から竣工まで

複数の業者が同時に工事する現場では、
広い意味での調整力が大事になってくる

複数の業者が
同時に工事する現場では、
広い意味での
調整力が大事になってくる

——落札後、実際に設備を作っていく過程で、思い出深いことや苦労があれば教えてください。

中津

今回の工事現場は、土木・建築・ポンプ設備・電気設備・監視システムの工事が同時進行しており、雑然としている状況でした。
大きな重機の搬入などが必須の現場は、そもそも危険が多い場所です。そこへさらに複数の業者の出入りが多くあるため、周囲の状況も把握しながら工事を進めていく必要があります。

また、他工事の進捗状況がフソウの工事に大きく影響することもあって、各関係者との折衝や調整等が必須でした。

佐々木

最大で100名くらいの作業員が敷地内に出入りしていました。
最初はスケジュールを決めていても、思いがけないトラブルが起こってしまうのが現場です。今回は先に土木の工事が入って、次が私たち…という予定を立てていましたが土木の工事に遅れが生じ、フソウと一部同時進行となることもありました。

どの業者も工期内に終わらせるために必死ですから、お互いが譲れるところは譲り、譲れないところは交渉して工事を終わらせなくてはなりません。工期内に設備を完成させるという最終的なゴールはどの業者も同じですから、そういった広い意味での調整が大変でした。

中津

業者ごとにそれぞれ言い分が違います。関係者との円滑な折衝のために、1〜2ヶ月前から準備を進めることもありました。経験が浅いながら、私も綿密な調整・交渉を心がけました。

佐々木

このように進行が難しくなると、業者の都合でどうしても休日出勤しなければならない場合もあります。そのような時は代休を使ったり、ローテーションを組んで休みを確保したりと、勤怠管理に留意していました。

中津

労働環境のことは、私以上に上司の方々が気にかけてくれているのを感じていました。
私は初めての現場で役に立ちたいという思いから、仕事を最優先に考えてしまっていたのですが……そんな私に「休み取らないでいいの? 大丈夫?」と声をかけていただき、休ませようとしてくれてましたね(笑)。

施設完成とその後

石巻市の生活の改善を実感できた案件。
風通しの良い会社でベテランから新人までが共に働く。

石巻市の生活の改善を 実感できた案件。 風通しの良い会社でベテランから 新人までが共に働く。

——プロジェクトが完了した後、どんなことを感じましたか? またこの案件を通じて感じたことの中で、就活生に伝えたいメッセージがあれば教えてください。

中津

私は新入社員研修が終わってすぐにこの石巻の案件に配属されましたから、石巻ではすべてがはじめての経験でした。
図面で見ていたものが実際目の前に造られていく過程に日々ワクワクしていましたし、施設が完成し、実際に電気が通って稼働した時はすごく感動しました。

現在、私は福島県の現場で働いています。石巻で学んだことは今の現場でも活かされていて、はじめての現場がこの案件で本当によかったと思っています。

藤井

工事が終わってから石巻でタクシーに乗った時に運転手さんが教えてくれたのですが、排水ポンプ場ができる前までは少しの雨でも車のタイヤの半分が沈むくらいの深刻な浸水があったようです。
ポンプ場が稼働してからはそんなことはなくなり、「本当によかった」と運転手さんは言われていました。そういう地域の方々の生の声を聞けると、嬉しく思いますね。

佐々木

私は石巻で車通勤していましたから、通勤中に実際に浸水している様子を目にしていました。雨の日の翌日などは「浸水しているなぁ…」なんて思いながら見ていたのですが、実際にポンプ場が稼働し始めてからは浸水がなくなっていて。
目に見えて問題解決されているのを感じられ、とても嬉しかったです。

仕事でこのような社会貢献の喜びを感じられるのは、フソウならではだと思います。近年は専門性を高めていくためのキャリアパスが明確になったことや労働環境も改善していますし、就活生のみなさんにもぜひフソウを知ってほしいと思います。

藤井

私は入社30年目になるので長い間フソウを見てきました。これはフソウに限らず業界全体かもしれませんが、昔は残業などの労働条件面で厳しい部分もある会社でした。しかし、ここ10年ほどの間に労働環境含め多くが改善されたように思います。
また、コミュニケーションについては若手からベテランまで皆が自分の意見を言えますし、思ったことを発言できる風通しの良い会社になりましたよ。

中津

そういった風通しの良い会社風土の中、私のような新人たちが伸び伸びと働けていると思います。
特に女性の方は「現場の仕事ってどうなんだろう……」と不安に思うかもしれませんが、心配はいりません。上司も先輩も頻繁に声をかけてくれて、手助けもしていただけるので、女性の方も安心して働けるはずです。

「描こう。
潤す力で地域の未来を。」

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