プロジェクト紹介

資機材販路の拡大に向けた新サービスの立ち上げ
<大阪府>

フソウの商社部門は、設計施工(工事)などの部門からは独立した業務を行っています。上下水道工事関連の資機材の販売をベースに、近年新たな取り組みで活躍の幅を広げている商社部門の社員4名に話を聞きました。

  • 商社部門に貢献したい!

    水インフラ事業部 パイプインフラ本部
    営業部 大阪営業1課

    丸岡 孝二さん

    1992年入社
  • CS顧客サービス課を全国に!

    水インフラ事業部 パイプインフラ本部
    CS部 CSサービス課

    川上 洋平さん

    2000年入社
  • 新しい仕事を自分たちで!

    水インフラ事業部 パイプインフラ本部
    営業部 名古屋営業課

    小野 達也さん

    2010年入社
  • 後輩育成にも注力したい!

    水インフラ事業部 パイプインフラ本部
    営業部 大阪営業1課

    野口 廉太さん

    2019年入社

フソウの商社部門とは

資機材の供給の面から、
水インフラを支える事業部

資機材の供給の面から、 水インフラを支える事業部

——フソウの商社部門とはどんな仕事をしている部門なのか、教えてください。

丸岡

フソウの商社部門の仕事は、名前の通り、お客様に商品を販売する業務がメインです。具体的には、上下水道工事を行う工事業者様に向けて、工事で使用するパイプやバルブ、ポンプなどの資機材を販売しています。

フソウと言えば工事会社というイメージを持たれるかもしれませんが、フソウの商社部門が提供する資機材が日本の水道事業を支えている一面もあります。

今回座談会に参加しているうち、私と川上、野口は大阪支社で働いています。後でお話ししますが、川上が所属する「CS顧客サービス課」は大阪支店からスタートした、商社部門の新しい課です。

小野

私は静岡営業所で二人体制で資機材の販売などを行っています。

「水道管路の更新率向上」
への取り組み

事業体様にも地元工事業者様にも
メリットのある取り組みにフソウが伴走する

事業体様にも地元工事業者様にも
メリットのある取り組みに フソウが伴走する

——商社部門の大阪支社では「小規模簡易DB(デザインビルド)案件」に対応する為に、「CS顧客サービス課」を新設したようですが、「小規模簡易DB」とはなにか、簡単に教えてください。

丸岡

日本の水道管の更新率は年間0.7%前後となり、目標としている1.0%には届かない状況が近年続いております。更に、今後は法定耐用年数を超えた水道管の延長が増える傾向にあり、更新率を上げる事は喫緊の課題となっております。原因は人口減少や高齢化などが複合的に重なっており、決め手となる解決策も地域によって異なる部分があります。

数ある課題の中で管路更新率を上げるべく、工事を発注する事業体職員様の業務負担軽減を目的として考えられた発注方式が、「設計施工一括発注(DB:デザインビルド)方式」となります。

また、その中でも地元工事業者様が主体となって取り組まれるスキームが、「小規模簡易DB方式」になります。

従来は詳細な設計までを事業体様で行った後に工事を発注されるのですが、小規模簡易DB方式では概算設計のみで発注を行い、工事を請け負う地元工事業者様が詳細設計及び施工を行う形となります。

これにより事業体職員様の工事発注に関する負担が少し軽減されると共に、発注量の増加も期待できます。但し、工事業者様は設計業務という負担が増えるという側面もありますので、我々は上下水道における専門商社として工事業者様に対し、サポートが出来ることがないか検討しておりました。

川上

小規模簡易DB方式は地元事業者様にとって、仕事が増えるというメリットがあります。但し、丸岡が言った通り設計業務という負担が増える事もあり、案件によっては対応できる地元工事業者様が限定される可能性もあります。
これでは小規模簡易DBの目的の一つである「工事発注量の増加」を達成する事が難しくなるのではと考え、設計業務を負担に感じるあまり小規模簡易DB案件に手を出す事をためらわれている工事業者様に対し、安心してチャレンジして頂けるサービスを考えました。
地元工事業者様が不得意とするところをフソウが手助けし、案件に伴走します。そして地元工事業者様に安心して小規模簡易DB案件を受注いただき、その工事で我々が提供する資機材を使っていただく…簡単にいうとこのような流れです。

フソウでは商社部門の中に「CS顧客サービス課」を新設し、工事を発注する側の事業体様と請け負う側の地元工事業者様両方に向けて、スムーズに工事が進むようなお手伝いをさせていただいています。

丸岡

水道管路の耐震化への更新については、もう何年も前から日本の課題でしたが、小規模簡易DB方式は課題解決に光を与えたと私は感じています。

小規模簡易DB方式が増える事で、事業体様は水道管路更新率を上げられますし、地元工事業者様は仕事が増えます。そして地元工事業者様の工事が増えれば、我々の活躍の舞台も増えてきます。
フソウの企業理念体系にも掲げている“三方よし”の取り組みですし、工事業者様の業務をサポートする事で、お客様との繋がりは今以上に深くなると考えています。今後も小規模簡易案件は増えていくだろうと私は考えています。

CS顧客サービス課の立ち上げ

地元工事業者様のサポート役になれた

地元工事業者様の サポート役になれた

——CS顧客サービス課が最初に取り組んだ小規模簡易DB案件である、大阪での水道管更新工事案件について教えてください。

丸岡

先ほどまで申しました通り今後の水道管路更新工事では、小規模簡易DB方式のような形での発注が増えていくと我々は以前から予測していました。
そこで2020年頃から積極的に事業体様に対してヒアリングを行い、需要の調査と共に事業体様毎の小規模簡易DB方式での工事発注に対する懸念事項などを調べていました。

ヒアリングを重ねる中で、事業体様には事業体様の、地元工事業者様には地元工事業者様の課題や不安があることを知り、その両方に関わりがあるフソウが二者の架け橋的な存在になりたいと感じました。
その上で、日頃からフソウと取引のある地元工事業者様に対し、「小規模簡易DB案件に一緒に取り組みませんか」という提案をしていくと我々を信じていただき、快いお返事をいただけました。

川上

実際に商社部門の中に「CS顧客サービス課」が新設されたのは2022年4月のことです。

その前から先回りして、私は設計のためのCADの学習を独学で行っていました。普段は施工を専門に行っている地元工事業者様が多い事から、小規模簡易DB案件では設計の部分がネックになることは予想できましたので。
そこをフソウがお手伝いすれば、地元工事業者様の小規模簡易DB案件にチャレンジされるハードルがぐんと下がりますし、数々の施工実績を持つ「フソウのサポートがある」ということで事業体様にも安心していただければ、やり甲斐を感じることが出来る仕事になるのではと。

そういった背景と事前準備の甲斐もあり、6月に事業体様で初めて発注された小規模簡易DB案件の注文をいただきました。設計期間は1ヶ月、施工期間は5ヶ月ほどの配水管布設替工事となります。
設計業務のサポートは単に机の上で図面を描くだけではなく、現場で測量のお手伝いをしたこともあります。私は、元々商社部門の営業だったので現場で働いたことはありませんから、そのお手伝いだけでも体力を消耗し、現場で働くことの大変さを知りました。
今後はさらに効率化して、多くの地元工事業者様のサポート役になっていきたいと思います。

丸岡

この案件は初めての取り組みでしたので、想定外の事もありましたが、事業体様からも地元工事業者様からも高評価をいただけました。

今後は他の業者とフソウが同じ値段で資材を売っていたとしても、「フソウから買いたい」と思われるような付加価値を作っていくために「CS顧客サービス課」と連携し、工事業者様との関係をさらに深めていけたらと考えています。

CS顧客サービス課を含めた取り組みは日本の水道管路更新率を高める取り組みであり、大きく言えば水道事業を支える取り組みですので、今後はさらに積極的に動いていきたいですね。

商社部門としての目標

水道事業は人の生活になくてはならない仕事。
みんなで業界全体を盛り上げていきたい

水道事業は 人の生活になくてはならない仕事。 みんなで業界全体を 盛り上げていきたい

——商社部門の社員として、今後やってみたいことや目標を教えてください。

野口

私もDB案件や、資金繰りまで含め行うプロジェクトであるPFI(Private Finance Initiative)方式でも我々が活躍できると考え、さまざまな提案をしていきたいと思います。
その為には事業体様や地元業者様、コンサルティング会社様に今以上に信頼していただける存在になりたいと考えています。
様々な立場のお客様に最適な提案をする必要がありますが、CS顧客サービス課やエンジニアリング事業部といった技術部隊と協業できるフソウにはそれが可能です。競合他社には無いフソウの強みとして活かし、価値の提供が出来る様、周りの方の力を借りながら引き続き勉強していきます。

社内に対しては自分が30歳になったこともあり、後輩のことも気にかけていきたいという目標があります。年齢層が高めの業界なので若い方が働きやすい環境作りのために、若手とベテランの社内コミュニケーションの架け橋になりたいです。

小野

これからの営業は、従来の仕事を受けに行くだけでは生き残れない時代だと考えています。

今回の話のメインである小規模簡易DBもそうですが、やはり、新しい仕事を自分たちで作っていくという意識が必要になるのかなと。
そのためにはまだ具体的には言えませんが、今までとはちょっと違った取り組みを模索しながら行っています。
静岡営業所は2名の小さな事業所ですが、売上が上がり人が増え、将来は会社の柱となる様な大きな組織にしたいという目標があります。

川上

現在、CS顧客サービス課は大阪にしかなく人員も3名しかいません。
ですので、今は取り組みたい案件があっても多くは動けない状態にあります。
今後はCS顧客サービス課の規模を広げていきたいので、そのためにもまず設計業務を確立していくのが今の目標です。

そしていずれは、CS顧客サービス課を大阪から全国に広めたいです。CS顧客サービス課に入ってくれた社員が迷わないように、正しい道筋を作るのが私の役目でもあります。

丸岡

人が生活する限り水道事業がなくなることはありませんが、新たな取り組みができなければ企業としては淘汰されるでしょう。商社部門では、通常の販売はもちろん、DBやPFIといった新しい発注方法に今後は更に積極的に取り組んでいきたいです。

そのためにベテランから若手まで積極的に動いてくれていますから、頼もしいと感じています。新入社員を含め、みんなで業界全体を盛り上げていきたいですね。

「描こう。
潤す力で地域の未来を。」

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