プロジェクト紹介

恵下埋立地(仮称)
<広島県>

広島市が新設するゴミの最終処分場「恵下(えげ)埋立地(仮称)」の工事において、フソウは最終処分場から浸出する汚水を適切に処理し、公共下水道へ放流する施設を担当しました。

この工事は、フソウが設計から施工まで丸ごと請け負う「設計・施工一括型工事」であり、大規模な内容でした。準備期間から竣工(工事が終わること)までは約7年と、非常に長い期間を要しています(2015年〜2022年7月)。
※令和6年度末開業予定です。

  • 他部署との連携が大切!

    水インフラ事業部 プラントインフラ本部
    西日本営業部 中国営業課

    黒瀬 元気さん

    2004年入社
  • 設計の仕事はクリエイター!

    エンジニアリング事業部 技術本部
    計画部 下水・廃水計画課

    吉川 宏さん

    1998年入社
  • モノづくりを通して成長!

    エンジニアリング事業部 工事本部
    九州工事部 九州工事課

    吉井 宗義さん

    2002年入社

案件の獲得

限られた予算と時間の中で、
営業チームと設計チームが連携して最高の提案ができた。

限られた予算と時間。 苦労したけれど、営業チームと 設計チームが連携して 最高の提案ができた。

——広島市が新しく作るゴミの最終処分場に関わるという非常に大きな案件ですが、実際にこの案件をフソウが獲得するまでに、どんな道のりがあったのでしょうか?

黒瀬

実際の入札までに、2回見積もりを作成する段階がありました。広島市側の要求を実際の工事計画に落とし込んで、工事内容や予算のイメージを作る作業です。

吉川

実際に書類を作ったり図面を書いたりするのは、我々設計の仕事です。営業と二人三脚で顧客(今回は広島市)への提案を作りました。営業と一緒に顧客の元に出向いて直接話をしたこともあります。

黒瀬

見積もりを元にお客様にヒアリングをするなどして、内容をブラッシュアップさせた後、いよいよ入札本番になります。入札ですから、もちろん安い価格で提案できた企業が勝ち取る仕組みです。入札は、他社さんとの負けられない真剣勝負。コストカットのために、例えば「建物内の設備はそのままで、建物だけを小さくできないか」と設計チームに提案したこともありました。

吉川

しかし実際、建物のサイズをコンパクトにすれば、その分工事費も材料費も節約できるという営業側の提案と設計側の意見に相違もありました。設計側の考えとしては必要だからその建物の大きさ・形に設計しているわけです。それを小さくしてほしいと……(苦笑)。
ただ、入札の期限は決まっているので、1ヶ月ほどで図面を完成させなければならないという非常にタイトなスケジュールでしたが、皆でミーティングを重ねチーム一丸で入札に臨むことで、完成させることができました。

黒瀬

吉川さんに本当に頑張っていただいた甲斐があり、他社と僅差で案件を勝ち取ることができました。
どんな大きな仕事でも、まずは案件を獲得しなければ何も始まりません。
この案件の入札が始まるずっと前からコツコツ準備していた結果が実って、すごくほっとしました。

着工時のポイント

不法投棄物にコロナ禍に……
想定外のアクシデントが重なった。

不法投棄物にコロナ禍に……
想定外のアクシデントが重なった。

——期間も長く大規模だった今回の案件では、どんな苦労がありましたか?

吉川

今回は「設計・施工一括型工事」なので、大きく「設計段階」と「施工段階」の2つの段階に分かれます。まずは設計段階からです。設計チームは、広島市とミーティングを重ねながら設計を進めていましたが、途中で埋立地から廃タイヤなどの不法投棄物が出てくるというアクシデントが起こり、スケジュールに影響が出ました。

吉井

施工段階に入った頃は、ちょうど日本がコロナ禍に入っていく時期でした。当時は県またぎの移動は難しく、部品や資材の価格も高騰しました。想定外のアクシデントばかりでしたね。

しかし、何といってもこの工事の最大の問題は、現場に通信環境がなかったことでしょう。今回の最終処分場は市街地から遠く離れた山の奥に作るため、スマホは圏外、メールも電話も使えません。普段なら現場にメール一つで送っていた図面をわざわざ手で持っていったり、伝言したりと……アナログな伝達手段を模索しましたね。

また、大規模な工事だったので、他社との連携にも苦労しました。
最終処分場を作るために複数の工事が同時に行われているのですが、こういった場合は業者同士でうまく連携を取る必要があります。「こっちの工事が遅れているから、あっちには明日は入れない」とか、「今日はこっちがここを使わせてもらいます」とか……そういった連絡を密にして、協力し合うための段取りが大変でした。

着工から竣工まで

厳しい環境下でも、ワークライフバランスを
守りながら工事を進行していきたい。

厳しい環境下でも、 ワークライフバランスを守りながら 工事を進行していきたい。

——様々なアクシデントにより現場は大変だったようですが、働き方としてはどうでしたか?

吉井

工期が長かったので、ある意味スケジュール調整はしやすい部分もありました。
休める時期にちゃんと休んでもらって、ピークの時はちょっと忙しくなるというような感じで……。従業員間でのシフト調整を正しく行って、ワークライフバランスを守りながら工事を進行するようにしていました。
2024年には時間外労働の上限規制が適用されますし、今後も工事の進捗が難しい中でも就業時間を守って働く意識をより高く持っていきたいです。
時間外労働についても、以前よりかなり少なくなりました。

また、職場環境についても同様に、皆が納得して働ける環境づくりを目指したいと考えています。例えば、部下に対し適切なフィードバックを実施することで、結果として部下の働くモチベーションUPに繋がり、成長を促すこと等ですね。

更にこの案件は全社プロジェクトだったので、九州、四国、東京など各地の社員が参加していました。違う場所で働いてきた社員同士、それぞれやり方が違うところもありましたが、皆がやりやすい方法を模索し話し合いました。

施設完成とその後

モノ作りの楽しさと、地元の人々の生活を
豊かにするインフラに携わった喜び。

モノ作りの楽しさと、 地元の人々の生活を豊かにする インフラに携わった喜び。

——長いプロジェクトが完了した後、どんなことを感じましたか? またこの案件を通じて感じたことの中で、就活生に伝えたいメッセージがあれば教えてください。

黒瀬

私は広島市民なので工事が始まる前も始まった後も、日々の生活の中でこの工事の話題を耳にしていました。ふと街で聞こえてきた会話がこの埋立地の話題だったり、新聞の記事で取り扱われていたり——。地元民だからこそ「すごい事業に関わっているんだなぁ」と実感する機会が多かったですし、嬉しかったですね。

吉井

私も、Googleマップの航空写真で完成後の埋立地を上空から見た時には「おおっ」と思いました(笑)。
最終処理場という施設は、人々の生活に直結する大事なインフラです。「恵下(えげ)埋立地(仮称)」はこの先30年間地域のゴミを受け入れることになっています。その間ずっと汚水を処理し続ける施設を作ったことは、誇りになりますね。

吉川

営業、設計、現場の全てが連携して、1つの大きな仕事をやり遂げるやりがいを大きく感じた案件でした。

設計の面白さはやはり、「無から有をつくる」というやりがいです。設計の仕事は「デザイナー」と言われることが多いですが、私は「クリエイター」だと思っています。
それをふまえて私が個人的に考える「フソウで活躍できる人物像」は、「物事を斜めからも見られる人」です。斜めから物事を見ると、真正面から見た時には見えない〝奥行き〟に気づきます。このように物事を多角的に見て自由な発想ができる人は、クリエイターに向いているのではないでしょうか。

吉井

現場は刻一刻と状況が変わっていくので、その度に臨機応変に対応していく必要があります。マニュアル通りに仕事するだけではなく、マニュアルをもとに自分で考え状況に適した行動ができる人こそ、現場が求める人材です。

とはいえ、最初はみな手探りです。この案件にも着工時から新卒の社員が入っていました。現場で勉強を重ね、成長していく姿を見て頼もしく感じたものです。
これから入社する新しい仲間と現場で一緒に働く日を、楽しみにしています。

「描こう。
潤す力で地域の未来を。」

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