水インフラにおけるDX
デジタルの力で水と地域の持続可能を追求する
フソウのデジタルトランスフォーメーション(DX)は、スキルレス化・省力・省人化を叶え誰もが運転管理に携われる施設・システムを実現を目指します。従来のやり方を変革し、施設の老朽化、少子高齢化・人口減少、財政難、技術承継といった水インフラが直面する課題を解決します。また、独自のデジタル技術を活用し情報やノウハウを蓄積することで、より効果的なアセットマネジメントが可能になり、地域の水インフラの持続可能性を高めます。持続と進化を支え、未来につなげる水を生み出す――それがフソウのDXです。
- フソウの強み
- 地域課題を解決するデジタル技術
- BIM/CIM活用で業務を効率化
- 上下水道インフラにおける3Dモデル化
- 3D/2D統合コミュニケーションツールRevizto
- 水インフラのデジタルツインへ
- DX事例
- O&MにおけるフソウのDX
- 関連リリース
フソウの強み
スキルレス化
誰にでも扱えるスムーズな導入、人材不足や技術不足を解決するだけでなく、コスト面の削減も目指します。
3Dモデル化
3Dスキャナやドローンを活用したデジタルデータ化で上下水道インフラ施設を可視化。紙図面ではできなかったことを可能に。
3D/2D統合コミュニケーションツール
3D/2Dの現場データを融合させてオンライン上に現場を再現。どこからでも正確かつリアルタイムなコミュニケーションを促進。
地域課題を解決するデジタル技術
水インフラを取り巻く環境が大きく変化しているいま、各地域の水インフラ持続に対してはオーダーメイドの解決策が求められています。フソウは上下水道ゼネラルコンストラクターとしてさまざまな地域で培ってきた技術力・現場力・開発力を背景に、スキルレス化を可能にする独自のデジタル技術を構築。運転管理にも配慮した設計から施工に至るまで、効果的・効率化につなげるための体制を整備しています。
BIM/CIM活用で業務を効率化
コミュニケーションツールとしてのBIM/CIM
フソウは、日本下水道事業団との共同研究を契機に、2015年より点群データやBIM/CIM(Building / Construction Information Modeling, Management)を実際の改築・更新工事における業務に利用しながら活用方法の検討に取り組んできました。高い表現性と情報量を有するBIM/CIMをコミュニケーションツールとして捉え、時間・場所・分野を超え「つながる」ことができるデジタル技術を活かし、イメージ共有と合意形成の迅速化、保守・運用や施設管理に向けて、施設の作り手や使い手の業務を平易化させるソリューション創出に取り組んでいます。
BIM/CIMとは
BIM/CIM(Building / Construction Information Modeling, Management)は、計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図ることを目的としています。
点群データとは
位置情報(X, Y, Z)と色情報(R, G, B)を持つ点の集合データで、三次元座標で構成された点の集合体。取り込まれた地形・物体をはじめとする「リアル」の形状を表すデータは、無数の点で構成された点群データという形式で記録されることで、パソコンなどで扱うことができるようになります。従来の実地測量と比べてスピーディーで正確な値を取得できることが特長です。
BIM/CIMが解決に導く従来の課題
国内の上下水道インフラ施設は老朽化が進んでいます。過去に実施された幾度もの改築や更新工事の結果、設計図面が存在しない・存在したとしても現状の実態と異なるケースも決して少なくありません。そういったケースにおいて複雑に入り組んだ現状を把握するには、膨大な時間と労力が必要になります。加えて、現状や現場を熟知された方の知識や経験、技術は後進の方々へ承継しにくいという問題も介在しています。
そこでフソウは、点群データとBIM/CIMの活用によって、現場をありのままに捉えての改築・更新工事の施工および運転・維持管理業務を推進してきました。点群データやBIM/CIMの3次元可視化技術によって、迅速な判断および関係者間の円滑な合意形成が実現できるほか、正確な現状の関係者間把握や、現状を正確なデータとして保存することも可能としています。
フロントローディングによるリスク低減
BIM/CIM関連技術※を活用することで、現地調査や2次元図面の作成、施工計画などの各プロセスを同時並行して進めることが可能です。また、フロントローディングにより、後工程に起こりうる仕様変更や手戻りを未然に防ぎ、品質向上と大幅な工期短縮を実現します。
※Revit®は、米国Autodesk, Inc.の登録商標です。
自動生成による効率化
BIM/CIMによる構造物の設計において、従来は設計者の手作業に頼っていた部分を自動化し業務を効率化します。自動化を可能にしたのは、BIM/CIMソフトRevit®用アドイン(追加機能)の新規開発。これにより、梁や柱などオブジェクトを一つひとつ3D空間に配置する作業が、2D図面に基づく3Dモデルの自動生成に置き換わり、設計ワークフローにおける大幅な効率化が実現しました。
BIM/CIMから始める施工・管理イノベーション解説動画
上下水道インフラにおける3Dモデル化
インフラ施設内部を設置型レーザー計測の3Dスキャナで点群データ化し、施設外部はドローンで撮影した画像からフォトグラメトリで点群データ化することで、目視可能な上下水道インフラ施設をありのままにデジタル化します。3Dモデルで屋内・屋外の設備を可視化すれば、図面だけではイメージすることが難しかった全体像を把握することが可能になります。フソウが長年ノウハウを蓄積してきたBIM/CIM構築・運用と、3Dモデル化サービスの組み合わせによって関係者間でのイメージ共有や合意形成の迅速化と省力化、保守・運用業務の記録の一元化、遠隔化や効率化、高度化が実現できます。
3Dモデル化サービス解説動画
3D/2D統合コミュニケーションツールRevizto
Revizto(レビツト)は、施設の3Dデータ(点群データやBIM/CIM)と2Dデータ(図面)、さらに現場情報を融合させることで、オンライン上で現場を再現し、関係者間の正確かつリアルタイムなコミュニケーションを促進する基盤ツールです。PCやタブレット端末に導入することで、簡単な操作によって必要なデータの統合・閲覧・書き込みによるコミュニケーションが可能に。
設計や施工現場に必要な情報を一元的に蓄積でき、関係者間のイメージ共有や合意形成の迅速化が図れるため、デバイスやスキルによらず、分野や職能の垣根を超えたコラボレーションを実現します。
2D・3Dで課題・現状を可視化
コラボレーションの円滑化
関係者全員といつでも連携ができ、建設プロジェクトで頻発するコミュニケーション上のさまざまな課題を解決。
アプリケーションの一本化
BIM/CIMモデルデータはもちろん、Power PointやExcelなどで作成した資料の一元管理も可能。データは随時関係者が確認・共有することができ、早期の課題発見へ。
企画から施工・管理まで
企画段階から基本設計・実施設計、施工や修繕・増改築といった維持管理まで建設の過程全般に利活用可能なプラットフォームです。
BIM/CIMのかなめ
プロジェクトには、設計・施工時の効率的かつリアルタイムなコミュニケーションが必須。関係者がReviztoを利用することで、フロントローディングを含めた本質的な効果を発揮。
活用事例
1) 現場と設計図面の差分チェック
現場で取得した点群データと設計図面を重ね合わせることで、相違点を把握。設計段階から問題点やリスクを洗い出し、対策を講じて設計品質を高めることができます。また、Revizto上にメモを残すことで情報伝達の漏れを削減します。
2) 遠隔コミュニケーション
Revizto上で簡単にコメントや資料の送受信ができるため、施工現場と遠隔地の事務所におけるコミュニケーションに役立ちます。関係者間で重要な情報を一元的に蓄積できることにより、業務の効率化を実現します。
3) 永続的な施設管理情報の伝達
各種図面や設備台帳などとRevizto上の3次元データを統合させ、簡単な操作で施設管理に重要な情報を追加または入手できます。これにより、的確な情報伝達が可能となり、施設管理の高度化を実現します。
Reviztoの特長解説動画
水インフラのデジタルツインへ
上下水道分野で最もデジタルに強い企業を目指すフソウ。その鍵を握るのが、水インフラの「デジタルツイン」です。デジタルツインとは、リアル(物理)空間から収集したさまざまなデータを、デジタル(仮想)空間で再現する技術です。例えば、フソウのBIM/CIMサービスとVRゴーグルを活用したVRミーティング。これによって時間と場所に囚われない水インフラ支援が可能になります。複雑な図面もVR空間で表現すれば、理解や把握の精度向上だけではなく遠隔地からのアクセスも容易です。各地の水インフラをデジタル空間に再現し、どこからでもアクセスし誰とでも意思疎通ができる「デジタルツイン」の実現を目指します。
DX事例
安威川流域下水道 岸部ポンプ場雨水沈砂池機械設備更新工事
3Dモデル化を活用した施工前段階での課題解決
現状にあわせて一部設計内容を修正する「既存設計成果活用型工事発注方式」を採用、設計内容の修正からEPCまでを一括で担当しました。設計照査・変更協議を同時に行うために短期間での現場把握・施工が必要な中、施工現場の3Dモデル化を遂行。正確な現地情報を迅速に把握し、施工計画や機器設計に反映させ、設計・施工の効率化を図りました。制限が多いコロナ禍での限られた敷地の中で、想定工程を1年足らずで完了させました。(画像は、点群データとBIM/CIMモデルの融合による搬入シミュレーションの様子です)。
O&MにおけるフソウのDX
全てを担うからこそ可能な維持管理
設計と施工から、その後の維持管理までもワンストップで担えることが私たちの強みです。維持管理分野においてもDXを積極的に導入し、お客様のさまざまな課題解決に努めています。
関連リリース
ブルーイノベーションとの上下水道インフラ向け3Dモデル化サービスのトライアル提供開始のお知らせ
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