二子屋浄水場
水道の強靭化に貢献。土木・建築・機械・電気 一式工事。
[松島町二子屋浄水場施設建設工事]
東日本大震災から10年。日本三景の一つ「松島」を有する宮城県松島町は、津波被害から着実な復興を遂げてきました。松島町の震災復興の鍵となったのが水道です。松島町は宮城県の用水供給と自己水源の双方から水道を供給しています。二子屋浄水場は鳴瀬川の自己水源を原水に急速ろ過方式で処理する浄水場で、老朽化への対応が課題となっていました。県からの用水供給の依存度を上げ、施設を廃止することも検討されていましたが、そこに、東日本大震災が起こりました。
震災では、用水供給が停止し、自己水源からの供給が松島町の命の水となりました。フソウは当時、東北支店の社員を中心に甚大な被害を受けた水道施設の復旧支援を展開。支援が一助となり、いち早く二子屋浄水場から給水ができたことで、松島町は災害時等における水道の供給安定性を高めるため、二子屋浄水場の更新を選択しました。
本工事は、導水、浄水、そして汚泥処理まで浄水場のすべての機能を止めずに、約半分の施設規模にダウンサイジングして作り変える工事でした。現場は、2度の豪雨災害を経験しました。さらに、コロナ禍により人材、資機材の調達に困難が生じました。地元の協力会社と構成した約40人“チーム二子屋”は、約5年にわたる工期、豪雨災害、コロナ禍という幾多の難局を乗り越えることができました。
[Keyword: 強靭化]
二子屋浄水場では、今回の工事で耐震性を備えることはもちろん、電気・機械設備の大半を上層階に設けるなど、豪雨でも浄水、配水に必要な施設が浸水の影響を受けず、安定して水を供給できる構造にしました。このように、従来の施設よりも災害対応力の高いインフラを構築する「強靱化」が全国各地で進んでいます。
種別 | 上水 |
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発注者 | 松島町 |
施工場所 | 宮城県松島町 |
工事概要 | 急速ろ過方式(施工部分処理能力1750㎥/日)浄水場新設 土木・建築・機械・電気 一式 [対応範囲] 1.土木工事 (管理棟築造工、沈殿池築造工、急速ろ過池築造工、排水排泥池築造工、天日乾燥床築造工、場内配管工、既設撤去工、場内整備工、仮設工)1式 2.建築工事 (管理棟築造工、沈殿池築造工、急速ろ過池築造工、排水排泥池築造工、A渡廊下、B渡廊下、既設撤去工、建築機械設備工、建築電気設備工)1式 3.機械設備工事(沈殿池設備、急速ろ過池設備、送水ポンプ設備、薬品注入設備、排水処理設備、既設撤去工) 1式 4.電気設備工事(受変電設備、自家発設備、運転操作設備、監視制御設備、 計装設備、既設 撤去) 1式 |
竣工 | 2022年1月 |
備考 | 1,750㎥/日 |
担当者より
豪雨、コロナ禍を乗り越え。
約5年にわたる長い工期、豪雨災害、コロナ禍という幾多の難局を乗り越えることができました。旧施設を動かしながら、浄水機能を止めず。旧施設を動かしながら、浄水機能を止めずに新施設に作り変えていくため、用地や建屋内の施工環境には厳しい制約がありました。積雪や凍結、春季の雪解け水や水田の代掻きによる原水高濁の影響などの条件のもとでの新しい浄水場の立ち上げに若手社員も多く関わりました。二子屋浄水場での経験は、必ずやこれからの当社の力になると思います。
エンジニアリング事業部 山地