石巻港排水ポンプ場
東日本大震災後の浸水対策施設。
[石巻市石巻港排水ポンプ場他1施設復興水処理設備工事]
北上川の河口に位置し、宮城県北東部を代表する都市である石巻市。川・海・山が織りなす風光明媚なこの地域は、東日本大震災で沿岸部全域が津波に襲われるという被害を受けました。石巻市では、震災の影響により市街地の地盤が60㎝以上も沈下し、市民生活に大きな影響を及ぼしました。地盤が沈んだことで、自然流下による雨水排水ができない状況となり、台風や豪雨時には道路冠水や床上浸水が頻発。このような浸水被害を解消するためには、強制的な排水が必要となります。こうした背景から、石巻市は復興事業として、震災後に見直した雨水排水計画に基づき雨水排水ポンプ場の整備に着手。新設する11カ所のポンプ場のうち、当社では石巻港排水ポンプ場および北北上運河右岸第二排水ポンプ場において、沈砂池設備を設置する工事を行いました。
[施工現場におけるBIM/CIMの活用]
本工事は、設計段階からBIM/CIMを活用。現場代理人の佐々木は、「施設内を3Dモデル化することで、図面上の課題や関連設備との干渉が可視化され、施工の効率化につながります。設計・施工時に必要な現場情報をデジタル化することで、関係者とのイメージ共有が容易になり、円滑な意思疎通が可能になりました」とBIM/CIM活用のメリットを説明します。また、水インフラを含むあらゆる分野でデジタル化が加速する中、若手社員に対する教育の観点からもBIM/CIMの活用が有益な機会となりました。
[Keyword: 内水氾濫と外水氾濫]
気候変動の影響により、集中豪雨や局地的な大雨が増加傾向にある中、国民の生命と財産を守るため、浸水対策の重要性が高まっています。浸水被害の原因には、大雨で河川が溢れる「外水氾濫」と、大量の雨が下水道に流入し、下水道の処理能力を超えて発生する「内水氾濫」があります。つまり、浸水被害を防ぐためには、河川と下水道、双方による着実な施設整備、そして、地域での横断的な連携が欠かせません。
種別 | 下水 |
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発注者 | 日本下水道事業団 |
施工場所 | 宮城県石巻市 |
工事概要 | ポンプ場 |
竣工 | 2022年10月 |
備考 | 14,866㎥/秒 |
担当者より
お客様が求めることを第一に。
東北地方での仕事が長いものの、今回初めて復興工事に携わることができました。実際に石巻市で大雨による浸水被害を目の当たりにしたことで、雨水排水ポンプ場が果たす役割の大きさを実感しました。
一日でも早く施設を完成させるため、お客様が求めていることを第一に考え、関係者とゴールを見据えて進めていくことを大切にしています。社会環境の変化により、お客様が求めるものも変化します。多様なニーズに応えていくためにも、時間管理や業務の効率化など、仕事のやり方や発想を変えていくことの重要性を感じており、実践してまいります。
エンジニアリング事業部 佐々木